EVERNOTE 情報整理術
あまり考えることなく使用してきた Evernote。無料アカウントを取ったのも 2010年5月と出遅れていたのかも知れません。少し真剣に使ってみるかと,読み始めてまもなく大地震と津波,原発の問題が起きました。そして,Evernoteを提供する Evernote Corporationから下記のような発表がありました。
我々Evernoteにとって、日本はすでに第二の故郷になっています。故に、昨日発生した巨大な地震と津波の報に接して、我々は非常に深い悲しみを覚えています。
日本の皆様がこの大規模災害から一日も早く復旧されるためになにかお手伝いできないかと考えた結果、我々は、日本語でEvernoteをお使いの全てのユーザーの皆さんを一ヶ月無料でプレミアムにアップグレードすることを決定しました。これは、我々が海の向こうからできるささやかな貢献ではありますが、Evernoteのフル機能をより多くの人にお使いいただくことで、被害の記録を残し、生の声を録音し、救援に役立つ情報のノートブックを共同で作り共有し、そしてそういう叡智を後世より多くの人に役立ててもらえるよう、活用していただければと考えています。
また、既にEveroteのプレミアム会員としてお支払いいただいている日本の皆様の今月分のプレミアム料金を、100%日本の災害援助活動に寄付させていただくことも決定しました。
まとめますと、プレミアムユーザの皆様 ーいつもありがとうございますー が、今月にお支払いの分は全て被災された方の救援に使われます。そして、無料ユーザーの皆様は、今月お困りの方を助けることにEvernoteのフル機能を活用いただければと思います。
Phil Libin
CEO, Evernote
この機会に使い込んでみて,プレミアム会員になる必然性があれば1ヶ月を待たなく移行でも良いのかなと思っています。
さて,本のことを書く前に「Evernote」の説明を少しだけ。
Webサイトには「すべてを記憶する」とタイトルが付いています。さらに,こう続きます。
- 「何でも保存」パッと思い付いたアイディアや好きなもの、見聞きしたことを全部保存しましょう。
- 「どこからでもアクセス」Evernoteはほぼ全てのPCや携帯電話、モバイル端末でご利用頂けます。
- 「すばやく検索」タイトルやタグ、さらには画像内の印刷文字や手書き文字から検索することができます。
つまり,Web,画像,自分のメモでもなんでもいいから,気になる情報を簡単にどんどんサーバに放り込むアプリケーションです。そう,サーバ上ですから,いま流行のクラウド化するということです。外部サーバにデータを持つことにより,ほかのコンピュータや,モバイル端末からでも操作,参照できる環境も含めて「Evernote」と読んで構わないと思います。
その雑多になりがちなファイルを,どう取り込むか,検索,活用しやすい情報にするか,その流れをデザインするのが,この本だと思います。
- 作者: 北真也
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2011/02/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 74回
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これまで,漠然と使ってきた方には得る部分は多いと思います。ただ,著者は「全方位から情報を収集しよう」「駆使して縦横無尽に情報を整理しよう」と書きます。アプリケーションの連携での自動化も含め,あの手この手で収集し,ノートブック(フォルダみたいなもの)と,タグを効果的に使って整理する。正直言って,ぼくには無理(笑) 使いこなす以前に,振り回されている感じがします。おそらく,いっきにそれを望むからイケないんだと思いますが。
後半に入って,ようやく「自分なりの整理術を」と書かれて安心しますが,だったら前半の書き方に「もう少し,ゆるさが欲しかった」と思うのはぼくだけでしょうか(文章自体は,やわらかく断定的ではありません)。最後の「Evernote達人のインタビュー」の達人たちは,もう少し「適材適所」な使い方で,ゆるさも感じられ救われました。うん,著者は少し気負った感じがしないでもないです。
読んでみて,やっぱり自分の使い方は「見た情報をなんでも放り込んで,適切なインデックスを付けていく」というより,「インプットの段階である程度絞って,不用意に溜め込まない」かなと。
見たもの,気になったものは脳(Evernote)のどこかにあるのも悪くはないけど,二度と見たくないもの,忘れたい過去もあるからね。ただ,必要な過去を一元化するには,とてもよいツールだと思います。そこから未来も構築できるというものです。
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